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2016年1月8日金曜日

ティファニーで朝食を (新潮文庫) -トルーマン カポーティ

文のリズムが本当に魅力的。訳書でそう思わせてくれるなんて大した翻訳技術だと思うなぁ。あとがきにもあるけど、「ミス・ホリデー・ゴライトリー、トラヴェリング」って本当に耳に残る不思議な響きがあるよね。

物語自体にわくわくしたりはしないけど、とりわけホリーに心踊らされると思う。誰かがホリーを"キラキラしている女性"と言ってたけど本当にその通りだと思う。ホリーの言っていた「野生の生き物にいったん心を注いだら、あなたは空を見上げて人生を贈ることになる」っていう部分が凄く印象に残ってる。

最後にはいろいろと窮地に立たされるホリーだけど、それでいても彼女らしさを失わないのも、やっぱり多くの女性がホリーに憧れる理由の一つなんだろうな。猫のくだりにその時その時の感情に正直に生きているホリーの性格が凄く表れていると思った。

映画も見てみようと思った。けど、まずはあのホリーがおすすめしてる『嵐が丘』を読んでみよう。

他の人のブックレビューでは、この本に載っている『ダイアモンドのギター』という短編の方が良かったという声もある。この話もなかなか面白かった。『花盛りの家』も好き。

どの物語も、登場人物が本当に素朴でとても素敵だった。


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