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2016年1月6日水曜日

旅のラゴス (新潮文庫) -筒井 康隆


おもしろかった!
久々に心踊る物語に出会えた。不思議なおとぎ話を読んだ時のような気持ちになるのはなぜだろう。

前半は少し退屈だけど、それもこの世界観に馴染むためには仕方ない。
はじめのうちは超能力を手にいれてもなお愚かさを捨てきれない人類の滅亡を説く教訓めいた物語かと思ってたけど、もっと素朴な「いい話」だった。まぁ、教訓的なエピソードも沢山あるにはあるけど、それはこの物語の主役ではないと思う。

壁抜け芸人の失敗はこの上なく滑稽…。ヨーマとデーデのその後は凄く気になる。旅の途中でいろいろな人間や文化が登場していてそれもまたおもしろい。

60才を越しても何かに焦がれ青春を忘れないラゴスは本当にかっこいい。長い間に奴隷になりながらも、旅の目的を忘れなかったラゴスの強い意志や、人類の熟度に応じて知識を教授する深い思慮には感嘆する。

さあ、ラゴスを見習ってもっと貪欲に読書をしよう、旅をしよう、人生を生きよう。

それにしてもラゴス、モテすぎ。

旅のラゴス (新潮文庫)
筒井 康隆
新潮社
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