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2015年12月1日火曜日

数学の参考書

物理を学ぶ上で役に立った数学の参考書のレビューです。熟読した本のみを紹介しています。


物理のための数学(一石賢)


物理数学のごく基本的なことが親切丁寧に書いてある本です。微積分・微分方程式・線形代数・ベクトル解析・複素積分・フーリエ変換・特殊関数など扱っている内容はとても多いです。どれも基本的な(けれども重要な)事項に重点を置いて説明していて、これ1冊で十分というわけではありませんが、学部1年生が物理で必要な数学を広く浅く身に付けるにはとっておきの本だと言えます。単調に数学の話が続くのではなく、物理と絡めた説明があるので飽きないし、ふんだんな図や解説でイメージが掴みやすいオススメの入門書です。その気になれば1か月ぐらいで読めると思うので気軽にちょうせんしてみるのがいいのではないでしょうか。
ただ、この本にはどういう訳か演習問題が1つもありません。物理数学は計算練習なしで身につくものではないので、他の演習書で実際に計算する必要があると思います。

物理学のための数学 (BERET SCIENCE)
一石 賢
ベレ出版
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微分積分の基礎と応用(江沢洋)


解析概論のような標準的な微積分学の教科書ではなくて、応用を強く意識した理工系の学生のための微積分の本です。とりあげられているトピックスも非常に興味をそそられるものばかりです。とくに線積分の例題はとてもおもしろいと思うので是非取り組んでみてください。
全体を通して十分すぎるほどの例題・練習問題があるので微積分が分かるだけでなく、「できる」ようになる本だと思います。偏微分・多重積分の基礎をこの本で学習すると良いと思います。

微分積分の基礎と応用 (新数理ライブラリ)
江沢 洋
サイエンス社
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複素関数(理工系の数学入門コース 5、表実)

ちゃんと複素積分ができるようになる本です。物理ではあちこちに複素積分が現れるので早いうちに身に付けた方がいいです。実関数への応用やローラン展開もちゃんと載っています。演習問題も豊富で解答もついているのできちんと取り組んでみてください。

複素関数 (理工系の数学入門コース 5)
表 実
岩波書店
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詳解 物理応用 数学演習(後藤憲一/山本邦夫/神吉健)

とにかく問題が解きたい!という人のための演習書です。計算練習というよりは、重要な定理や公式の証明が演習問題としてまとめられています。他の本で一通り基礎的な内容を把握してから整理するつもりで演習問題をやればいいと思います。ものすごい分量なので、絶対に全部やろうとは思ってはいけません。複素関数の章と微分方程式の章は大学院の試験の勉強で大いに役に立ちました。

詳解物理応用数学演習
詳解物理応用数学演習
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共立出版
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