ネット上には院試についての情報が錯綜しています。この記事ではそうした情報の真偽をまとめてみました。
ただ、一口に院試といっても試験方法・内容は多岐に渡るので、この記事では、「そこそこのレベルの大学の物理学科に在籍している学生が、物理学専攻の大学院を受験する場合」に限定して話を進めたいと思います。
1.「自分の大学はまず落ちない」を過信するな。
母校の院試は落ちることがないと思っている人が多いようですが、これは学校の方針によります。自分の大学では内部生の過半数が不合格になっていました。急きょ就活に切り替えた人も何人か知っています。自分の大学だからってなめずにきちんと勉強して臨むべきです。
追記:内部推薦などの制度がある場合は落ちることは珍しいようですが、それを蹴って他大学と母校の両方を受験する場合の話をしています。
2.「院試なんて簡単だ」はウソ
簡単じゃないです。とても難しいです。東大・京大の物理学徒にとっては簡単なのかもしれませんが、ほとんどの人は4年生の5月の時点でも旧帝大の過去問はほとんど解けないのではないでしょうか。ちなみに京大から移籍された先生曰く、京大生も院試のための勉強はかなり真剣にやっているみたいです。
ちなみに院試が簡単だという根拠に倍率をあげる人が居ますが、優秀な人ばかり院試を受けるので合格は易しくありません。
3.「理論は難しい」は本当
実験系よりも理論系に入る方が難しいです。とくに素粒子・核・宇宙の理論は試験で相当高い点数をとらなければ合格しません。もちろん実験だって簡単じゃありません。
4.「東大の新領域は簡単だ」はウソ
東大の新領域が人気がないのは事実のようです。でも、ちゃんと勉強をしてきた人じゃないと受かりません。
5.「過去問だけ解けばうかる」はウソ
これを鵜呑みにして散った人を沢山知っています。「過去問を見て出題傾向を分析する」のは良しとしても、基礎を身に付けずに過去問丸暗記の付け焼き刃じゃ合格できません。
6.「研究室見学はしないと受からない」はウソ
大学院は優秀な人が欲しくてたまりません。まともな研究室であれば、研究室見学をしたかどうかではなく、単に学問に秀でているか否かで合否が決まります(実験系でとくに労働力が欲しくてたまらないところはそうでもないみたいな噂もききますが、そんな研究室はこっちから願い下げですよね?)。ただし、面接試験において、志望動機を聞かれた際に答えやすいなどのメリットはあります。
追記:個人的には、合否に関係がないとはいえ、研究室見学は絶対にすべきだと思っています。少なくとも2年はその研究室で過ごすことになるので、教官の人柄、研究室の雰囲気、研究内容を直に確認することは重要です。
ちなみに「研究室見学の際にお土産をもっていかないと怒られる」なんていうのもデマですからね。
手土産等も特に必要ないでしょう。研究室見学はカジュアルな服であればスーツじゃなくても問題ないです。むしろ、そんなことで悪く思われるような研究室で指導されたいですか?
7.「TOEIC,TOEFLは早めに受けるべき」は本当
英語については独自試験をやめて、TOEICやTOEFLのスコアシートを評価する大学院が多いです。専門科目の試験勉強を本腰をいれてやりながらTOEICやTOEFLの勉強をするのは大変なので、早めに片付けておくべきです。
8.「面接だけの外部推薦は楽勝」はウソ
面接だけの試験ときくと簡単に思えますが、院試における面接と言うのは基本的に「口頭試問」です。つまり、面接官の前で問題を渡されて、「ちょっとこれ、黒板でやってみて?」とか「卒業研究の内容についてプレゼンして」みたいな感じです。答えられないと恥ずかしいし、激しく詰問されるし、とても辛いですよ。
まぁ、院試前になると色々なデマが飛び交います。
不安になって2ちゃんとか見ちゃう人居るけど、気を確かにもって、もくもくと勉強した方がいいです。
不安になって2ちゃんとか見ちゃう人居るけど、気を確かにもって、もくもくと勉強した方がいいです。
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