刑務所のリタ・ヘイワース
アンディの不屈さ、自分を見失わずに生きる姿、自由への渇望に震えたたされる。絶望してはいけない、希望を捨ててはいけない。そんなことを教えてくれる素敵な話。
ゴールデンボーイ
問題作っていう言葉は、こういう作品に使うものなんだろうな。今でこそ堂々と出版できるけれど、大戦直後だったらどうだろう。まともな少年が徐々に老人に侵食されていく様は、なんというか、えげつなささえ感じる。てっきり、収容所時代の悪行を悔いる老人と素朴な13才の少年の友情の物語かと思っていたら、全然そんなことなかった。全然そんな生ぬるい話じゃなかった!
少年が初めて人を殺すシーンに読者は恐ろしさを感じても、「衝撃」を覚えることはないと思う。そのころには少年の凶行には、どういう訳かある程度の「自然さ」が伴っていて、幾分かの「理解」がある。私たちはニュースで未成年者が意味もなく人を殺したと聞けば首をかしげるのに、この小説ではその衝動に幾分かまっとうさを感じてしまうから不気味なのだ。
容赦のない物語。オススメ。
スティーヴン キング
新潮社
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