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2015年12月1日火曜日

院試の勉強(数学)

院試のためにしたこと。

数学


数学の勉強は講義ノートをおさらいして、学習した定理を全部証明し直すことからはじめました。数学の勉強は早めにしたので、4月の段階で数学の過去問はかなり高得点がとれてました。


線形代数


復習をはじめた当時は行列式の定義すら言えませんでした。とにかく講義ノートをはじめから読み直す毎日。行列式の具体的な求め方、対角化は自由にできるようにしておかなければなりません。2次形式、同時対角化、det[AB]=det[A]det[B]の証明なんかはよく見たなぁ。

グラム行列による線形独立性の判別、ジョルダン標準形は後回しにしていいと思います。

それから、なぜかあまり知られてませんけど、$n$次の正方行列A,Bについて
\begin{equation} {\rm Tr[A] } = \sum_{i=1}^n \lambda_i ,    {\rm det[A] } = \prod_{i=1}^n \lambda_i \end{equation}
であることは検算に大いに有効なので覚えておきましょうね(証明できますか?)。

ちなみに計算練習として、『理工系の数学入門コース演習2 線形代数演習』だけは選ばないようにしてください。答えに間違いが多すぎてイライラしますよ。

複素関数論


『複素関数 (理工系の数学入門コース 5)』という緑の本を初めから終わりまでやりました。この1冊をやれば、十分です。とくに複素積分を応用して実積分を求めたりは頻出なので、基本的なパターンを抑えておく必要がありますので、この本の練習問題をめんどくさがらずにやるべきです。ローラン展開は後回しにしていいと思います。それよりも留数定理をきちんと応用できるようにしておくべきです。


微分方程式

一般論はほぼ出ないので、いくつかのパターンについて演習しました。リッカチ型とかロンスキアンとかは頭にいれておいた方がいいです。

微積分学

ほとんど勉強するようなことはないんだけれども、多変数関数のグラフをかけるようにしておくべきです。忘れたころにでてくるヘシアン行列の定義とかを思い出しておかなければなりません。あとはガウス積分等をできるようにして、いくつかの特殊関数について整理しておけば十分でしょう。個人的にn次元の球の体積を求める問題が好きだったので繰り返し練習してました。


黄色の『大学院入試問題』より、共立出版の『詳解物理応用数学演習』にいい例題が沢山あるし、解説も丁寧です。数学は学校によって傾向が全然違うので注意してください。

熱力学の参考書



熱力学の参考書のレビューです。熟読した本のみを紹介しています。


日本で物理を学ぼうという人は本当にめぐまれていると思います。熱力学についてこんなに素晴らしい本が日本語で、しかも2冊も読めるのだから!!

熱力学―現代的な視点から(田崎 晴明)


熱力学の凄さをもの凄い情熱で教えてくれる熱い本です。エントロピーが自然に定義される部分は見ものですし、等温準静操作と断熱準静操作から熱力学の体系をつくろうとしているので、シンプルでわかりやすいです。ところどころ歴史についても熱く語られていて勉強になります。

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田崎 晴明
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熱力学の基礎(清水 明)


ごちゃごちゃしていた熱力学が公理的に整理される1冊。平衡状態とエントロピーについての2つの原理(公理)と数学だけで熱力学が整然とする様を目の当たりにできます。こう書くと抽象的な本なのかと思われそうですが、具体例もちゃんと書いてあります。はじめの凸関数についての説明など、退屈に感じるかもしれませんが、中盤からめちゃくちゃおもしろくなるのでそこは耐え抜きましょう。演習問題は非常に教育的なので絶対に取り組んだ方がいいです。読みこなすの必要なのは簡単な微積分程度なので学部1年生からでも読めます。個人的には田崎さんの本を読んだ後にこの本を読むと話が整理されて良いと思います。また、この本はルジャンドル変換についてものすごく丁寧に記述があります。この部分のためだけにもこの本を買う価値はあります。

熱力学の基礎
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清水 明
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上で紹介した2冊を読めば、「熱力学って美しい!」って絶対に思えるはずです(そう思えないなら物理学徒をやめた方が良い)。

院試の勉強(物理)


院試のための物理の勉強をはじめたのは5月ぐらいからです。
基礎の理解をしてから過去問をやった方がいいと思います。


力学・解析力学


大学の講義ノートをおさらい。最小作用の原理からオイラーラグランジュ方程式を導けみたいな問題が出題されていたのを見たことあるから、解析力学に関しては丁寧に復習しました。『力学 (大学院入試問題から学ぶシリーズ)』がほどほどに解けるレベルになれば十分だと思います。剛体の勉強は一切しませんでした。

統計力学


田崎先生の統計力学の本をはじからはじまで読みました(ウソです。演習問題と電磁場の量子化は飛ばしました)。1巻、2巻ともに重要です。理想気体の状態数なんかはすぐに求められるようにしておかなければなりません。低温での電子比熱が温度にどう依存するかなどもゾンマーフェルト展開で説明できるようにしておかなければなりません(面接でこれきかれました)。応用の課題は十分にあるのでこれに取り組んだあとに過去問をやればいいと思います。

熱力学


清水明先生の『熱力学の基礎』を読みました。短い時間に要点だけ理解するのには向いてない本だけど、この1冊で体系的に熱力学が理解できるので大きな自信を与えてくれます。ジュールトムソン過程の部分は良く読み込んでおいた方がいいです。この本を読んだ後に、久保演習の熱力学パートの例題とA問題をやれば良いと思います。

量子力学


いぎかわの黒い量子力学の本をおさらいしました。WKB法や経路積分や電磁場の量子化なんでまず院試にでないので、とくに1巻に書いてあることが大事です。井戸型ポテンシャルなんかはすぐに解けるのは当然で、ポテンシャルに有限のとびがあっても波動関数は連続であることを示したり、調和振動子の系は演算子法で何も見ずに解を出せねばなりません。角運動量の合成はできないとまずいです。あと、時間依存しない摂動法は出ます。基本的な公式は導けるようにしておくべきです。

電磁気学


物理入門コースを2巻やったあとに、理論電磁気学を読んで電磁波についても勉強しました。電磁波については、出題しない大学院もあるので、その点は調べておいた方がいいでしょう。





姫野の黄色の『大学院入試問題』はほとんどやりませんでした。あれは分量が多すぎです。

大学院入試のウソ・本当

ネット上には院試についての情報が錯綜しています。この記事ではそうした情報の真偽をまとめてみました。


ただ、一口に院試といっても試験方法・内容は多岐に渡るので、この記事では、「そこそこのレベルの大学の物理学科に在籍している学生が、物理学専攻の大学院を受験する場合」に限定して話を進めたいと思います。

1.「自分の大学はまず落ちない」を過信するな。


母校の院試は落ちることがないと思っている人が多いようですが、これは学校の方針によります。自分の大学では内部生の過半数が不合格になっていました。急きょ就活に切り替えた人も何人か知っています。自分の大学だからってなめずにきちんと勉強して臨むべきです。

追記:内部推薦などの制度がある場合は落ちることは珍しいようですが、それを蹴って他大学と母校の両方を受験する場合の話をしています。

2.「院試なんて簡単だ」はウソ


簡単じゃないです。とても難しいです。東大・京大の物理学徒にとっては簡単なのかもしれませんが、ほとんどの人は4年生の5月の時点でも旧帝大の過去問はほとんど解けないのではないでしょうか。ちなみに京大から移籍された先生曰く、京大生も院試のための勉強はかなり真剣にやっているみたいです。

ちなみに院試が簡単だという根拠に倍率をあげる人が居ますが、優秀な人ばかり院試を受けるので合格は易しくありません。

3.「理論は難しい」は本当


実験系よりも理論系に入る方が難しいです。とくに素粒子・核・宇宙の理論は試験で相当高い点数をとらなければ合格しません。もちろん実験だって簡単じゃありません。

4.「東大の新領域は簡単だ」はウソ


東大の新領域が人気がないのは事実のようです。でも、ちゃんと勉強をしてきた人じゃないと受かりません。

5.「過去問だけ解けばうかる」はウソ


これを鵜呑みにして散った人を沢山知っています。「過去問を見て出題傾向を分析する」のは良しとしても、基礎を身に付けずに過去問丸暗記の付け焼き刃じゃ合格できません。

6.「研究室見学はしないと受からない」はウソ


大学院は優秀な人が欲しくてたまりません。まともな研究室であれば、研究室見学をしたかどうかではなく、単に学問に秀でているか否かで合否が決まります(実験系でとくに労働力が欲しくてたまらないところはそうでもないみたいな噂もききますが、そんな研究室はこっちから願い下げですよね?)。ただし、面接試験において、志望動機を聞かれた際に答えやすいなどのメリットはあります。

追記:個人的には、合否に関係がないとはいえ、研究室見学は絶対にすべきだと思っています。少なくとも2年はその研究室で過ごすことになるので、教官の人柄、研究室の雰囲気、研究内容を直に確認することは重要です。

ちなみに「研究室見学の際にお土産をもっていかないと怒られる」なんていうのもデマですからね。
手土産等も特に必要ないでしょう。研究室見学はカジュアルな服であればスーツじゃなくても問題ないです。むしろ、そんなことで悪く思われるような研究室で指導されたいですか?

7.「TOEIC,TOEFLは早めに受けるべき」は本当


英語については独自試験をやめて、TOEICやTOEFLのスコアシートを評価する大学院が多いです。専門科目の試験勉強を本腰をいれてやりながらTOEICやTOEFLの勉強をするのは大変なので、早めに片付けておくべきです。

8.「面接だけの外部推薦は楽勝」はウソ


面接だけの試験ときくと簡単に思えますが、院試における面接と言うのは基本的に「口頭試問」です。つまり、面接官の前で問題を渡されて、「ちょっとこれ、黒板でやってみて?」とか「卒業研究の内容についてプレゼンして」みたいな感じです。答えられないと恥ずかしいし、激しく詰問されるし、とても辛いですよ。





まぁ、院試前になると色々なデマが飛び交います。
不安になって2ちゃんとか見ちゃう人居るけど、気を確かにもって、もくもくと勉強した方がいいです。